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5月定例能

2021年5月2日
定例能M

5月定例能

日時

5月2日(日) 午後1時開演(正午開場)

会場

石川県立能楽堂(金沢市石引4丁目18-3)

入場券

前売り一般 2,500円/当日 3,000円
若者割※(30歳未満・当日のみ) 1,000円 ※受付にて年齢を確認できるものをご提示ください。
中学生以下 無料

石川県立能楽堂、石川県立音楽堂チケットボックス、金沢能楽会事務所で前売り券を販売しております。

○お問い合わせフォームからチケットをご予約いただけます。
【お問い合わせ内容】にて「前売り券申し込み」をご選択いただき、【お問い合わせ内容詳細】欄に「公演名(〇月定例能など)」「必要枚数」をご記入のうえ、その他必要事項をご入力してお申し込みください。当日、会場受付にてお名前をお伝えいただき、前売り券の枚数分の代金と引き換えにチケットをお受け取りください。

 

○チケット販売サイト「カンフェティ」でもご購入できます。下記の「チケットを購入する」ボタンより、チケット販売サイト「カンフェティ」に移動してください。

  • 番組表
  • 解説

2021年5月定例能番組表

【能】東北(とうぼく)

花の都は梅の花の盛りです。東国方から出た僧一行(ワキ・ワキツレ)が王城東北のとある古寺で和泉式部と称する梅を眺めていますと、一人の女(前シテ)が声を掛けて現れます。寺は上東(しようとう)門院の旧跡であり、梅の木は和泉式部が植え軒端(のきば)の梅と名付けたことを教えて、女は僧に読経を勧めます。式部の名残は色香を増す花や方丈の臥所(ふしど)をはじめ院内の優雅なたたずまいに伝わります。いにしえを偲(しの)ぶ女は自分こそこの花に住む梅の主あるじと言い、木隠(こがく)れます(中入)。所の者(アイ)から東北院の子細や軒端の梅の由来を聞いた僧は、花の下で終夜法華経を読誦して弔います。そこへ式部(後シテ)が現れ、かつて関白道長の譬喩品(ひゆぼん)読経に誘われて火宅を出たと詠んだ歌を思い出し、和歌の功徳によって火宅を逃れ歌舞の菩薩(ぼさつ)となったことに感謝します。しばらく霊地の四季に仏縁を観想し、梅香る春の夜を舞う式部は、懐旧の涙を恥じ方丈の室(しつ)を蓮台として僧の夢から遠ざかります。

【狂言】隠狸(かくしだぬき)

狸を釣る太郎冠者が、主人には釣らぬと答えて、ならば買い求めて来いと市へ行かされます。しかしまずは昨夜釣った狸を売ろうと、市で売り声をあげたところを主人に見つかります。あわてて狸を隠しますが、冠者の酒癖を見透かした主人に振る舞い酒をされ、次第に饒舌(じょうぜつ)になって、狸の釣り方を詳しく語りなどします。肴に舞を主人が所望し、腰の狸を気にしながらの、両者連れ舞いのうちに、主人が隠し狸を奪って冠者を追い込みます。

【能】船橋(ふなばし)

松島・平泉をめざす熊野山伏(ワキ・ワキツレ)が旅の途中、東路(あずまじ)の佐野の船橋で橋勧進の男女(前シテ・ツレ)に出会います。男女は初め生死(しようじ)の海を渡り、輪廻(りんね)を離れる真(まこと)の橋を自ら架ける意志を持つように見えましたが、山伏の姿を認めて助力を乞い、橋を渡せ、道を作れと切実な救済の願いを訴えます。それは昔この川に架けた船橋を道として男が女のもとに通い、女の親に嫌われて橋板を外され、男が川波に沈んだという物語の、二人は当事者であり、死後の今も邪淫の妄執に苦しむからです。二人は弔いを頼んで姿を消します(中入)。加持を行う山伏の前に再度現れた男女(後シテ・ツレ)は弔いに感謝し、成仏できたことを報告して、盤石の橋柱を戴いたこれまでの地獄の苦患を見せ、罪の雲を晴らす懺悔(さんげ)のために昔の有様を再現します。生前の再現とそれへの陶酔という新しい主題を、やがて世阿弥が掲げるに至るその前に、こうした砕動風鬼への改作が試行されました。

(西村 聡)